心も体もリラックス!音楽がもたらす癒し効果とは?

音楽療法は、あらゆる痛みを和らげ、血圧を正常に調整し、不安感や絶望感を軽減するために、全国の病院で行われている。音楽には、「世界の共通言語」や「天の鏡」など、さまざまな呼び名がある。音楽の影響力について議論の余地はないが、新たに行われた研究によって、音楽がどれほど大きな影響力を持つかが示されている。

健康心理学者によると、音楽は歴史上すべての文明社会において「癒し」と「治療」のために活用されてきたという。つまり、どの文明社会も、音楽を作ったり聴いたりすることで得られるメリットを認めてきたというわけだ。古代ギリシャの医者・ヒポクラテスでさえ、音楽は薬術と切っても切れない関係にあると認めていたとか。

音楽は、脳卒中を患っている人の運動機能や認知機能の回復を助けたり、認知症を患っている人の悲しい感情を軽減したり、さらには手術を受けたばかりの人の痛みを軽減したり/回復を早めたりすると示す科学的なデータもある。もちろん、治療効果も期待できる。

こうした科学的研究によれば、音楽療法は、身体的、感情的、認知的、社会的なニーズへの対処を助ける、確立された治療法の一種だといえるだろう。音楽は、心拍数、血圧、体内のコルチゾールレベルを下げるうえ、不安を和らげ、気分を高揚させるのに役立つのだ。例としては、レストランやお店など、どこへ行っても流れている音楽などがあるが、以下では、積極的にリラックスし、ストレスを解消し、さらには気分を高めるために音楽を利用する方法をいくつかご紹介しよう。

音響環境に気をつける – 通常の飲食店やレストランでは、お店の回転率を上げるため、お客様に早く食べてもらうために、目立たないように音楽を使用することがある。緊張感のある会議や親密な話をするプライベート空間を探しているのなら、騒がしい場所や大音量の音楽はかえって、人のストレスや不安を高める可能性があるということを覚えておこう。

カラダに活力をつける – 一方、運動や掃除、プレゼンなど、エネルギーや活力を高めたいときには、軽快な音楽が効果的かもしれない。朝、着替えのときにノリのいい音楽を聴くと、その日一日の調子を整えることができるだろう。

睡眠の質を改善する – 夜寝る前の1時間前にクラシック音楽や穏やかな音楽を聴くと、リラックスしてよく眠れるようになる。

運転中のイライラを鎮める – 運転中にお気に入りの音楽を聴くことで、渋滞への怒りが鎮まり、より安全な運転ができるようになるかもしれない。

脳を使うゲームのスキルを磨く – 音楽を奏でることは、脳のパフォーマンスを向上させる可能性がある。というのも、音楽を演奏することで、反応速度が速くなり、長期的な記憶が可能になり、さらに認識力が高まる傾向にあるからだ。また、音楽を習った子どもは算数が得意で、言語能力も高いと示す研究結果もある。

医療ストレスを軽減する – 近々控えている医療処置に不安を感じている人はいないだろうか?もしそうなら、緊張をほどくために音楽を聴くことを検討してみよう。例えば、歯の手術、MRI、注射などの医療処置を待つ間、イヤホンをつけてお気に入りの音楽を聴けば、不安を解消できるかもしれない。ただし、大腸内視鏡検査やマンモグラフィー、虫歯の治療などといった処置の際には、待合室内で音楽を流してよいかどうか、必ず事前に許可を取るようにしよう。人によっては、音楽により集中することができ、気分を落ち着かせることができ、結果的に安全で有意義な処置結果が得られるだろう。