時代を超えて愛される洋楽ロックランキングBEST3
本当に素晴らしいロックソングというのは、時代を超える力があり、その魅力は何十年、何百年にもわたるかもしれない。ユニークなギターリフであったり、アンセム的なコーラスであったり、エモーショナルなメロディであったりと、それぞれの細かい要素によって特別な楽曲に仕上がっている。Led ZeppelinやDeep Purple、The Doorsなど、ロックというジャンルを形作ったアーティスト、ライブ会場を最高に盛り上げるアーティスト、FMラジオのヒットメーカーなどに敬意を表し、今回は歴代最高のロックソングを選んでみた。それでは、ベスト3の大ヒット曲リストを見てみよう。
第1位 『Kashmir』(1975年のアルバム『Physical Graffiti』より)
史上最高のロックソングランキングに『Whole Lotta Love』と『Stairway To Heaven』の2曲を選ぶ人も多いかもしれないが、今回は、壮大なプロポーションの曲『Kashmir(カシミール)』がトップの座を見事獲得した。壮大なブレイクスルー・ロックソングを体現した同曲は、国際的に有名な4人組バンドLed Zeppelin(レッド・ツェッペリン)の人気絶頂期のアルバム『Physical Graffiti』に収録されていたが、実際にはかなり長い時間をかけて作られたものであった。
1973年にジミー・ペイジ(ギタリスト)とジョン・ボーナム(ドラマー)がデモを作り、同年末にロバート・プラント(ボーカリスト)がモロッコの南部砂漠を旅してインスピレーションを得て、神秘的な歌詞を書き下ろしたそうだ。また同曲は、あのThe Beatlesが自分たちのビジョンを実現するために、他の人のアイデアを借りた数少ない例のひとつでもある。ストリングスとホーン、そしてジョン・ポール・ジョーンズ(ベーシスト/キーボード)が奏でるメロトロンによって、今日の現代人でも思わず感動するような、変幻自在でワールドミュージック調の名曲に仕上がっている。
第2位 『Smoke On The Water』(1972年のアルバム『Machine Head』より)
『Smoke On The Water』は、バンドDeep Purpleが5枚目のアルバム『Machine Head』のレコーディングのために、スイスのモントルー・カジノに滞在していたときに作られた曲であり、なんとまったく真実の物語だとか!レコーディングセッションの前夜、モントルー・カジノの劇場でFrank Zappaの公演が行われた。ところが、その劇場が後に照明弾による事件で一部焼失し、Deep Purpleは余儀なく他のスタジオを手配することに…。
とはいえ、リッチー・ブラックモア(ギタリスト)が創作した『Smoke On The Water』のテーマは、音楽史に残るものである。ト短調の4音でハーモニーを奏でるこの曲は、後にブラックモアがベートーベンの交響曲第5番を逆さにしたような曲だと表現している。この目を引くギターのアレンジは、それ以来、ハードロックミュージシャンを目指す人にとっての定番ギターリフとなっている。イアン・ペイス(ドラマー)は「とても楽しくてシンプルだけど、かなり弾きごたえのあるものだ」と後にコメントしている。
第3位 『Bohemian Rhapsody』(1975年のアルバム『オペラ座の夜』より)
フレディ・マーキュリー(ボーカリスト)が率いた、伝説的バンドQueen。彼らの代表曲である『Bohemian Rhapsody』は、あらゆる予想を裏切るものだった。そもそも、演奏時間がポップソングでお決まりの3分間ではなく、オープニング、バラード、オペラ、ハードロック、コーダ、そして様々なセクションからなる6分間にもおよぶ組曲となっている。例外的な演奏時間にもかかわらず、『Bohemian Rhapsody』は9週間にわたってイギリスのシングルチャートの第1位に輝き、1976年1月末までに100万枚以上のシングルを売り上げた。1991年にマーキュリーが亡くなった際には、5週間にわたって全英チャート首位を獲得し、2021年3月には1,000万枚以上の売り上げで殿堂入りに認定された。こうした売上数がその成功を明らかに物語っているが、『Bohemian Rhapsody』はその大胆さだけでも、十分にベストロックソングランキングに入っただろう。